統計の話(1)・・・・・平均値と標準偏差について


Z−scoreについての項で少し説明しましたが、ここでは簡単にiss-pを使う上で必要な統計について説明します。

1.正常な脳カウントの定義

 はじめに、Z−scoreの式について再度記述します。

            Z =(標本脳平均値ー標準脳の平均値)/標準脳における標準偏差


この式に入れればZ−scoreが求まります。Z−scoreとは、ここでは私たちが検査した患者さんの脳のカウントの平均値(標本脳平均値)が、正常とさてる標準脳の平均値から標準偏差で何個分離れているかを求めているのです。

ここで知らなければならないことは、標準脳の平均値と、標準脳における標準偏差が求まってないと計算はできません。
統計では母集団の平均値、母集団の標準偏差を求めなければならないとの意味になるのですが、さて、この2つはどのように求めるのでしょうか??

一番簡単な方法は、日本人(世界でもいいのですが)全ての正常な脳(母集団といいます)の検査をおこなって、それから求まった脳の計測値の平均と標準偏差を計算すれば、それが標準脳の平均値と標準偏差となります。


簡単に式を書いておきます。

無限大(∞)の正常な脳のSPECTをおこなって、同じ部位のカウント値を全て求めてきます。
     
ここで標本の平均値と標準偏差を求めてみます。

      一人目(n1カウント)、2人目(n2カウント)、n人目(nnカウント)・・・・・・・・・・・∞人目(n∞カウント)


         平均値(μ) = (n1+n2+nn+・・・・・n∞)/∞人 

         標準偏差(δ) = SQR[{(n1−μ)^2 + (n2−μ)^2 +(nn−μ)^2・・・・・+(n∞ーμ)^2}/ ∞人] 

                    (SQRは√   ^2は2乗の意味です)



これで終了です。これは母集団全てのデータから平均値と標準偏差を求めたものですので、この値がこの母集団の真の値となり信頼にあたいするデータなのです。しかし、普通は母集団全てを測定することは不可能ですので、これらを使用することはできません。ではどうすれば母集団の平均値や標準偏差を推定することができるのでしょうか?



2.標準脳の平均値と標準偏差?

ではどうすれば????
結論から書きます。先にも述べたように私たちは、少ない標本をもとに母集団の平均値(μ)と標準偏差(δ)を当てるわけですから、得られる標本からしか求めることはできないのです。したがって標本から求めた平均値(xバー)を母集団の平均値(μ)と考えます。また標本から求めた標準偏差から母集団の標準偏差(δ)と仮定するには、標本数nから1を引いた(n−1)を分母として計算してしまいます。
しかたないことです。


        母集団の平均値(μ)=狽 / N             標本の平均値(xバー)=狽 / n


  母集団の標準偏差(δ)=SQR(煤ix−μ)^2 / N )   標本の標準偏差(s)=SQR(煤ix−xバー)^2 /( n−1))


では、なぜそうなるのかを考えてみます。(式は手抜きをしてしまってますので正確な書き方ではありません。)

どうでもいいことなのかしれませんが、説明が長くなるので次のページにうつります。