第1章 医療施設等における人に関する放射線安全管理
(その2) p231〜249
2.放射線診療従事者の被ばく線量評価 1)測定の原理 a.蛍光ガラス線量計 □ 蛍光ガラス線量計に使用されるガラス素子は、銀イオンを含有させた( )である。 リン酸塩ガラス
(銀活性リン酸塩ガラス)□ 放射線を受けたガラス素子に窒素ガスレーザーの( )を照射すると、受けた放射線の量に比例した( ) 色の( (RPL))を発生する。 紫外線
オレンジ
ラジオフォトルミネッセンス□ このRPLを( )でとらえ発光量を測定する。 光電子増倍管 b.OSL線量計 □ 放射線や紫外線を照射すると短時間に減衰する蛍光を発する物質がある。減衰した後に光をあてると新た な強い光を発する。この蛍光を( (OSL))という。 光刺激ルミネッセンス □ この物質に強い光をあて( )現象をおこさせて放射線量を測定す。これが( )線量計である。 OSL
OSL□ OSL素子として( )を使用する。 α−酸化アルミニウム
(α−Al2O3)□ OSL素子は硬度で熱によるフェーディングが( )く長期間にわたって安定。 小さ □ ガラス素子などの検出器は、放射線による電離でその痕跡を残すが、この痕跡の密度が時間経過とともに 温度、湿度の影響を受け減少することがある。この減少を( )と呼ぶ。 フェーディング □ 個人線量計にはフェーディングの( )ことが望まれる。 ない(少ない) c.熱ルミネッセンス線量計 □ ある種の物質は、放射線を照射した後に加熱すると蛍光を発することがある。この現象を( )現象という。 熱ルミネッセンス □ 熱ルミネッセンス現象を利用した検出器が( )である。 熱ルミネッセンス線量計
(TLD)□ 熱蛍光物質にはLiF(Mg)、BeO(Na)、Li2B4O7(Cu)、CaSO4(Tm)、MgSiO4(Tb)などがある。 250μSv/3月 □ LiF(Mg)、BeO(Na)、Li2B4O7(Cu)などの低原子番号のものは( )測定に用いられる。また、CaSO4(Tm)、MgSiO4(Tb)などの原子番号の高いもには、感度が( )いため( )または( )用モニタとして用いられる。 軟組織の吸収線量
高
個人
環境補足として記述(3つの線量計の特徴について) 蛍光ガラス線量計とOSL線量計の特徴はおなじようなものであるので、同じ特徴は同じとして違いをも記述します。 □ ( )測定が可能である。 繰り返し □ ( )感度である。 高 □ 温度、湿度の影響を( )ない。 受け □ フェーディングがきわめて( )。 小さい □ X線、γ線およびβ線の混在場のいても( )が可能である。 分離測定 □ 線量測定範囲はX線、γ線およびβ線とも( )〜( )程度である。 0.1mSv
10Sv□ 温度、湿度による影響を受けにくいから保管などの取り扱いに注意を要しない。 違い □ 蛍光ガラス線量計は熱アニーリングすることによって再使用が可能となるが、OSLは( )することによって 再使用が可能となる。 光アニーリング □ 蛍光ガラス線量計とOSL線量計は( )測定が可能であるが、TLDはできない。 繰り返し □ TLDは高温多湿下では( )により過小評価となる。 フェーディング □ TLDは衝撃により擬似発光をおこすものもあるため、穏やかな取り扱いが重要。 □ TLDの感度に個体差があるため、高い精度を要求する場合には、TLDごとの( )を必要とする。 感度補正係数 3)外部被ばくの測定と評価 a)線量の測定 □ 照射線量の測定には( )が使用される。 電離箱 □ 放射線の計測やエネルギー分析には( )が使用される。 シンチレーション検出器 □ 外部被ばくの個人モニターには( ) ( ) 蛍光作用を利用した( )が使用される。 ガラス線量計
OSL線量計
熱蛍光線量計(TLD)b)外部被ばく測定の検出器の原理と種類 (a)X線、γ線の照射線量の測定 □ 電離箱の電極の電圧を上昇させると、電流は飽和し放射線の強さに( )するようになる。 比例 □ 電離箱によって得られる線量は( )である。 照射線量 □ 電離箱の壁は空気と等価な物質でできているので( )と呼ばれる。 空気壁電離箱 (b)β線の測定 □ β線の測定は( )を利用する。 GM計数管 (c)シンチレーション検出器 □ γ線の測定には( )や有機シンチレータを溶媒に溶かして固体プラスチックに加工した( )が使用される。 NaIシンチレーション検出器
プラスチックシンチレーション検出器□ シンチレーション検出器は内部被ばくの個人モニターリングに使われる( )や体表面汚染モニタなどに使われる。 ホールボディカウンタ □ NaIシンチレーション検出器はγ線のエネルギースペクトルの測定にも利用される。 (d)半導体検出器 □ 気体の電離を利用したのが電離箱であるが、気体の代わりにシリコンやゲルマニウムなどの( )を用いた ものが半導体検出器である。 半導体結晶 □ 半導体検出器はシンチレーション検出器に比べて( )が優れている。 エネルギー分解能 □ 最近では、半導体検出器を利用した小型で感度の良い( )が用いられている。 個人モニター c)作業環境の測定 □ 放射線量の測定は( )または1cm線量当量でおこなう。 1cm線量当量率 □ 放射線物質のによって汚染されたものを取り扱う場合は、( )を超えない期間に1回測定する。 1ヶ月 □ 排気口、排水口のの汚染状況の測定はそのつどおこなう。 □ 密封放射性物質、放射線発生装置を固定して使用する場合には、( )を超えない期間ごとに1回測定す る。 6ヶ月 □ 3.7GBq以下の密封放射性物質を扱う場合は、( )を超えない期間に1回測定する。 6ヶ月 □ 測定の結果は、障害防止法、電離則、医療法においては( )保存しなければならない。原子炉規制法に おいては( )保存する。 5年間
10年間□ 常時立ち入る場所における線量限度は( )である。 1mSv/週 □ 管理区域においては( )以下 1.3mSv/3月 □ 居住区域においては( )以下 250μSv/3月 □ 放射線発生装置、0.1pBqを超える放射性物質を装備している機器に関しては、部屋の出入り口に( )を 設ける。 インターロック □ 放射線発生装置、370GBqを超える放射性物質の使用に関しては部屋の出入り口に( )の設置が義務 つけられている。 自動表示装置 □ 空気汚染の測定は、原子炉規制法においては( )の平均値であり、障害防止法、電離則では( )の平 均値をとる。 3ヶ月
8時間□ 皮膚汚染管理で誘導限度はα線を放出する放射性物質においては( )Bq/cm2
α線を放出しない放射性物質においては( )Bq/cm2にする。4
40□ 誘導限度に基づいて調査レベルを設定し、調査レベルを超えたときに( )を行う。 除染 □ 放射能を摂取した当日に試料採取や人体計測を行って詳細な調査が必要となるある値を超えた場合、その レベルを( )という。 調査レベル □ 幾日か経過した後の量を( )という。 誘導調査レベル □ 線量を算定し、年等価線量限度の( )を超えるときには個人記録簿に記入が必要である。 3/10 □ 使用室の画壁の外側の線量限度は( )以下 1mSv/週 □ 管理区域の境界の線量限度は( )以下 1.3mSv/3月 □ 事業所の境界は( )以下 250μSv/3月 □ 病室は( )以下 1.3mSv/3月 c)個人被ばくの測定 □ 放射線測定用具は( )に装着。女子は( )に装着。 胸部
腹部□ 測定は1cm線量当量、( )線量当量を測定する。 70μm □ 測定の結果は3ヶ月間、1年間、女子に対しては( )について記録する。 1月間 b.評価 □ 人体内各組織・臓器の等価線量に組織荷重係数を掛け全ての器官の値を加算したものを( )という。 実効線量 □ ICRP 1990年勧告では、放射線作業従事者に対しては連続した5年間につき年当たり( )、一般公衆に 対しては年当たり( )としている。 20mSv
1mSva)荷電粒子による被ばく □ 皮膚は( )、( )、皮下組織よりなる。 表皮
真皮□ 表皮は上皮組織で上から順に角質層、顆粒層、有棘層、基底層の4層に分けられる。角質層は放射線に対 する感受性はなく、人体を放射線から守る役目をする。 □ 有棘層と基底層を芽層ともいい、放射線感受性が高い。 □ 基底層は皮膚組織の中で最も放射線感受性が高いところである。 □ α線は飛程が( )mm程度であるため角質で吸収され外部被ばくの場合は放射線防護上問題にする必 要はない。 0.05 □ β線は皮膚で吸収されるため、皮膚以外の組織に対しては問題にする必要がない。 □ 体内の重要な組織・臓器の体表からの深さは造血器官は( )cm、生殖腺は( )cm、水晶体は( )m mである。 5
1〜7
3b)X線、γ線による被ばく 5 (1)照射線量とエネルギーフルエンス □ 照射線量の単位は(R)はX線とγ線しか使用できず、空気に対する電離の大きさを表す量である。 □ 照射線量の単位はSI単位では( )である。 C/Kg □ 照射線量はエネルギー( )MeV以下のX線、γ線の単位である。 3 □ エネルギーフルエンスの単位は( )である。 J/m2 (2)照射線量と吸収線量 □ 吸収線量はある物質の単位質量に与えられるエネルギーで単位は( )で特別な名称がGyである。 J/Kg □ 1(J/Kg)は( )Gyである。 1 □ 光子のエネルギーが( )MeV以上ではコンプトン効果でエネルギー吸収がおこなわれ原子番号にあまり 関係しない。 0.3 □ 光子のエネルギーが( )MeV以下になると( )によるエネルギー吸収がおこるので、原子番号により大 きく依存する。 0.3 c)中性子による被ばく □ 人体を構成する元素は水素が最も多く、次いで( )、炭素、( )となっている。 酸素
窒素□ 低エネルギー中性子線の場合は、水素に対する1H(n、γ)2D、14N(n、p)14Cの( )反応によるものが 主体となる。 核 □ 中性子が一回しか相互作用をせず、相互作用により発生した荷電粒子はほとんど生体内で吸収されると仮 定する。このときの線量の単位を( )という。 カーマ □ 速中性子線による吸収線量は( )によるものが主である。 弾性散乱 d)実効線量および等価線量の評価 毛細管高速遠心法 □ 体幹部が均等に被ばくする場合には、ガラス線量計やOSL線量計、TLDなどの個人モニタによって得られた 値をそのまま( )として評価する。 実効線量 □ 体幹部不均等被ばくの場合には、体幹部を3つの部位に分けて評価する。 □ ICRUは日本語で( )という。 国際放射線単位・測定委員会 □ IAEAのガイドラインでは外部被ばくの際の処置としては次のようになっている。
0.1Gy以下 管理的措置、状況調査、線量評価
0.1〜0.25Gy 詳細な管理措置、医師による監視、被ばく者へのコメント
0.25Gy 詳細な医学的検査、正確な線量評価
1.0Gy以上 専門医療機関への移送