第1章  医療施設等における人に関する放射線安全管理
その3)  p250〜290

4)内部被ばくの測定と評価
□ 内部被ばく線量の評価は、体外計測法、(  )、(  )の3つの方法を用いておこなわれる。 バイオアッセイ法
空気中放射性濃度からの計算方法
□ 体外計測法、バイオアッセイ法は個人モニタリングと呼ばれ、空気中放射性濃度からの計算方法は(  )と  呼ばれる。 作業環境モニタリング
□ 体内に摂取された放射性物質から放出される組織透過性の放射線を体外に設置した検出器で測定する方  法を(  )と呼ぶ。 体外計測法
□ 被検者の尿などの排泄物に含まれる放射能を測定する方法を(  )と呼ぶ。 バイオアッセイ
□ ダストモニタなどによる作業環境の空気中放射性物質から摂取量を測定することを(  )と呼ぶ。 空気中放射性物質濃度からの計算方法
体外計測法
□ 体外計測装置を測定する部位によって分類すると、全身に分布する核種を測定する(
  )、甲状腺中のヨウ素を測定する(  )、低エネルギーX線あるいはγ線を胸部計測により測定する(  )に分けられる。
ホールボディカウンタ
甲状腺モニタ
肺モニタ
□ 使用目的によって分類すると、原子力発電所などで放射性物質を摂取した者のスクリーニングに用いる(  )、有意に放射性物質を摂取した者に対して線量評価の目的で用いられる(  )、研究所などで微量の放射能の測定に用いられる(  )に分けられる。 スクリーニング用ホールボディカウンタ

定量用ホールボディカウンタ
精密測定用ホールボディカウンタ
□ スクリーニング測定では、短時間で多くの被検者を測定するため使用する全身カウンタの条件としては、(    )が高く短時間で測定できること、出入りが容易であることが必要である。このため検出器としては(  )が   用いられる。 プラスチックシンチレータ
□ より詳細な調査を必要とする被検者を比較的簡易なルーチン測定により選び出すことを(  )と呼ぶ。 スクリーニング
□ 遮へい体の形状は、検出器と人体の一部を鉄などで覆った(  )となっている。 シャドウシールドタイプ
□ 定量用ホールボディカウンタの検出器としては(  )あるいは(  )が用いられる。 NaIシンチレーション検出器
Ge半導体検出器
□ 精密測定用ホールボディカウンタの検出器としては(  )あるいは(  )が用いられる NaIシンチレーション検出器
Ge半導体検出器 
□ 得られた計数率を被検者の体内放射能に換算するためには比例計数を求めたおく必要がある。この比例係  数を求める作業を(  )と呼んでいる。 校正
バイオアッセイ法
□ 体内に取り込まれた放射性物質の量を便や尿などかの試料により間接的に評価する方法を(  )と呼ぶ。 バイオアッセイ法
□ 結果がでるまでに(  )間程度必要となり、直接測定ではないために(  )信頼性は望めない。 1週
高い
□ バイオアッセイ法は体外測定が適応できない(  )線や(  )線についても測定できる利点がある。バイオア  ッセイ法の対象となる核種は3H、90Sr、235U、239Pu、241Amなどがある。 α
β
□ 放射性核種の摂取が疑われる場合に、摂取の有無、摂取核種、摂取量などに関するより詳細な調査を目的  として行われるモニターリングを(  )と呼ぶ。 特殊モニタリング
□ 特殊モニタリングでは(  )日に排泄される全量を採取する必要がある。 1日(24時間)
□ 便のバイオアッセイ法での試料の前処理は(  )が一般的である。 乾式灰化法
□ 鼻孔スミア法は吸入摂取の有無の判断および摂取された放射性物質の種類とその相対的な放射能量の推  定に用いる。
空気中放射性物質濃度からの計算方法
□ 空気中の放射性物質には、ろ紙で捕獲される(  )のものと、ヨウ素のような(  )、水蒸気や希ガスのよう   な(  )のものとがある。 粒子状
揮発性物質
気体
□ 摂取した放射性物質が測定時に何パーセント体内に残っているか示す用語を(  )と呼ぶ。 残留率
□ 摂取した放射性物質の何パーセントが尿中や便中に排泄されたかを示す用語を(  )と呼ぶ。 排泄率
□ 体内残存率曲線および排泄率曲線での放射性核種の動態は標準的なモデルで計算される。
□ 呼吸器系モデルは主に吸入する際の(  )や(  )に依存する。 物理的状態(エアロゾルの大きさ)
化学形(溶解性)
□ 胃腸管系モデルは主に経口摂取する際の(  )に依存する。 化学形(溶解性)
□ 体内動態モデルは摂取の形態によらず(  )としてのふるまいに依存する。 元素
実効線量の評価例
□ 摂取してから10日後の137Csが1000000Bq検出された。このときの摂取量と実効線量を求めよ。ただし  、線量係数は6.7×10 −6mSv/Bq、摂取10日後の全身残存率は0.41とする。
計算問題です
摂取量は
1000000÷0.41
=2.4×10*6 Bq
実効線量は
2.4×10*6×6.7×10*−6=16.08mSv
□ 甲状腺計測で131Iを150000Bq検出した。摂取日が測定日の0.5日前であるとき摂取量と実効線量を求  めよ。ただし、線量係数はヨウ素化合物1.1×10*−5mSv/Bq、ヨウ素の蒸気2.0×10*−5mSv/  Bq、摂取0.5日後の甲状腺残存率は化学物0.10、蒸気0.19とする。 計算問題です。
摂取量は
150000÷0.1
=1.5×10*6(化学系)
150000÷0.19
=7.9×10*5(蒸気)
実行線量は
1.5×10*6×1.1×10*−5=17mSv(化学系)
7.9×10*5×2.0×10*−5=16mSv(蒸気)
□ 事例3 残存率と排泄率が違うだけで計算方法は同じである。
3.施設・環境モニタリング
1)測定しなければならない項目
□ 表17・表18を理解しておくこと
2)測定機器、設備の種類と特徴
□ 電離箱サーベイメータは壁が空気と等価物質でつくられているため、γ線に対するエネルギー依存性は(  )や(  )に比べて少ない。 GM計数管式
シンチレーション式
□ 電離箱サーベイメータは方向依存性があまりなく、複数の線源が存在する場所や、散乱線の多い場所での  測定に適しているが、(  )が劣るために、敷地境界などの低線量率の測定には向かない。 測定感度
□ GM計数管は電離箱式に比べて感度はよいが(  )はあまりよくない。 エネルギー依存性
□ GM計数管は高線量率を測定すると(  )のため実際の線量率より低い値を示す。  窒息現象
□ GM計数管は放射線粒子の入射によって発生した電子なだれにより生成したイオンが負電極に運ばれてい  くまで次の放射線が入射しても検出できない。そのため、高線量率の放射線測定では数え落としが生ずる。  この現象を(  )と呼ぶ。 窒息現象
□ シンチレーション検出器は(  )であるため、敷地境界の低線量率の場所での測定に向いている。 高感度
□ 中性子は一般のサーベイメータでは測定できないため、(  )や(  )比例計数管を検出器とした中性子線  用サーベイメータを用いる。 3H
BF3
□ γ線エリアモニタには(  )や(  )が使われている。 個人モニター
□ 敷地境界などに設置されるエリアモニタを(  )と呼び、敷地境界での(  )な放射線量測定に有効である。 モニタリングポスト
連続的
□ ハンドフットクロスモニタには(  )が使用される。 GM計数管
□ 個人被ばくの測定には(  )、(  )、(  )などがある。 蛍光ガラス線量計
OSL線量計
TLD
□ TLDはCaF2やLiFといった物質から発する熱蛍光を利用した固体検出器であり、エネルギー依存性が(    )フェーディングが(  )素子であが、機械的衝撃に弱く、また、(  )や光フェーディングなどの問題がある。 小さい
少ない
熱クエンチング
□ 蛍光ガラス線量計は放射線に照射されたガラス素子が(  )により蛍光を発する現象に基づいている。 紫外線励起
□ 蛍光ガラス線量計はガラス組織にバラツキが(  )く安定した測定ができる。また、自然放射線レベルの低   線領域から放射線治療などの広いレンジに対応し、エネルギー依存性が少ない。 小さ
□ OSL線量計は(  )に炭素を不純物として加えた(  )線量計である。蛍光ガラス線量計に比べて、測定レ  ンジ、適応エネルギー、エネルギー依存性とも優れているが、方向依存性があり、素子間でバラツキがある   欠点もある。 酸化アルミニウム
光刺激ルミネッセンス
3)外部放射線の測定と評価
□ 医療法施行規則では1cm線量当量のほか、70μm線量当量が1cm線量当量の(  )倍を超えるおそれ   のある場合には70μm線量当量を測定することとされている。 10
4)X線診療室の漏えい線量測定
□ X線診療室の漏えい線量の測定には、エネルギー特性が一定であり、方向依存性が少ないものを選択する  必要がある。これらの要求を満たすのは(  )である。 電離縛サーベイメータ
□ 線量率測定では測定器の時定数の(  )以上の時間(約20〜30秒)測定しなければならない。短い時間で  は測定値は真の値より(  )測定値となる。
低い
□ 1秒以下のX線撮影では線量率は測定できないため、複数回X線を照射し積算線量測定し、1回あたりの漏  えい線量を求める。
□ 一定時間積算した線量(μSv、mSv)として放射線を測定する方法を(  )と呼ぶ。 積算線量測定
□ 被写体は実際の患者を再現するためにファントムなどを被写体とする。この被写体には(  )を使用するの  が望ましい。 散乱線測定用水ファントムJIS
Z 4915
□ 照射条件は通常使用している照射条件で最も(  )い照射条件を使用する。
□ 透視の場合はJIS Z 4915を被写体としてオートで照射するか、(  )Kv、(  )mA程度で使用する。 90
□ 連則的に放射線を発生する場合には(  )で測定する。 線量率
□ 瞬間的に放射線を発生する場合には(  )で測定する。 積算線量
5)表面汚染の測定と評価
□ 表面汚染の測定には、サーベイメータを用いる(  )とスミア法を用いる(  )がある。 直接測定法
間接測定法
□ 1分あたりの計数値を(  ) cpm
□ 1秒間あたりの計数値を(  ) cps
□ 汚染表面をろ紙でふきとりその試料を測定器で測定する方法を(  )という。 スミア法
6)排水中放射性同位元素濃度の測定
□ 排水中の濃度測定は、採水し測定する方法と、水モニタで測定する方法がある。
□ 水モニタシステムでγ線放出核種用には(  )、β線用には(  )を検出器として使用してある。 NaIシンチレータ
液体シンチレータ
7)排気中放射性同位元素濃度の測定
□ 排気中の放射性同位元素は浮遊性の(  )と(  )である。
ガス
□ 排気中の放射性同位元素の測定は連続的におこない、測定器は(  )を使用する。 ガスモニタ
4.異常時の対応
□ 放射線診療従事者の個人の年平均被ばく線量は(  )以下であり、9割り以上が公衆の年線量限度の1m  Sv以下である。しかし、年実効線量が10mSvを超える従事者が0.5%存在している。 0.5mSv
□ IVR従事者の実効線量を測定するために、防護エプロンの下側に1つ、水晶体の等価線量を測定するため  に術衣の襟の部分に1つ、合計2個の個人モニタを装着する。
□ IVR従事者の被ばくはX線(  )時における被ばくが大きな割合をしめており、I・Iの感度劣化が被ばく増大に  結びついている。 透視
□ I・Iの感度劣化は、経時的な(  )と使用量に左右される(  )で生じる。 自然劣化
使用劣化
□ 血管系のIVRにおいて再狭窄の発現する因子として1)血管リモデリングと2)新生内膜増殖とがある。γ線  やβ線の密封線源を血管に挿入して放射線照射をおこない、正常組織の増殖を抑制する治療法が(  )で  ある。 血管内放射線療法
□ 医療における放射線事故の大半は(  )の紛失である。 密封小線源
□ 所在不明が発生したばあいは、ただちに(  )に線源の紛失状況を連絡し、遅延なく所轄の警察署(  )に   届けでる。また、同時に保健所、消防庁にも連絡する。 文部科学省
防犯課
□ 汚染および漏えい事故の予防策は、(  )と(  )の遵守にほかならない。 施設基準
行為基準
□ 管理基準値は表面汚染限度あるいはその(  )に定めておく。 1/10
□ 表面密度限度はα線を放出する放射性同位元素は(  )Bq/cm2、α線を放出しない放射性同位元素は  (  )Bq/cm2である。
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□ 管理基準値を超えた汚染の場合には(  )が必要となる。 除染
□ 除染法は1)物理的・機械的除染法、2)(  )、3)(  )の3つに大別できる。 化学的除染法
電気的除染法
□ 除染係数(DF)とは除染によってどの程度除去されたかを評価する方法であり、DF=
  (除染前の汚染量)/(除染後の汚染量)で示され、表面汚染がどの程度減少したかを知る。
□ 除染指数とは除染係数を対数で表したものである。
□ 除去率(DR)とは初期の汚染量がどれだけ除去されたかの割合を示したもので、DR=((除染前の汚染量)  ー(除染後の汚染量))/(除染前の汚染量) ×100
□ 残存汚染率(RC)とは初期の汚染量に対して除染後の対象物に残る割合を示したものであり、RC=(除染  後の汚染量)/(除染前の汚染量) ×100
□ 定期の測定で汚染がみつかったときには、汚染箇所に印をつけ立ち入り禁止などの措置をとった後、周辺   の放射性汚染の状況を追跡して除染計画をたてる。
□ 防災計画に盛り込む地震対策の内容は
  @地震発生前にしておく災害の発生防止のための予防対策および拡大防止対策
  A地震発生後にとる緊急対策と復旧作業
  B予防対策や緊急時対策を有効に機能させるための防災教育・訓練・非常用器材の整備および全体の点検
□ 緊急時対策は、放射線影響の及ぶ区域の大きさにより
  @1室ないし1建物に限局されるもの
  A1事業所内に限られるもの
  B事業所外の一般公衆区域までに及ぶもの
  の3つに分けて考える。
□ 人的災害は
  @人体の過剰被ばくを伴うもの
  A人体の過剰被ばくを伴わないもの
  にわけて考える。
□ 地震、火災その他の災害が起こったことにより、その所有する放射性同位元素に関して、放射線障害の発   生するおそれのある場所または発生した場合、放射線障害防止法には危険時の措置の規定がある。 通報体制
□ 使用者は放射線施設の構造および設備が施設基準に適合するように施設を維持する義務がある。そのた   めに、定期的に放射線施設等を点検し、その結果について記帳することが義務付けられている。 施設点検
□ 事故が発生したときの連絡先が表29 p284 表29
□ 医療機器の保守点検は医療法施行令第4条の6に規定があり、医療法施行規則第9条の12で、医療機器  の保守点検の業務を適正に行う能力のあるものの基準を定めている。 医療機器の保守点検
□ 使用者は施設点検の実施状況や放射性同位元素の保管状況について自主点検をおこない、当該年度の   経過後3ヶ月以内に「放射線管理状況報告書を文部科学大臣に提出しなけらばならない。 自主点検(障害防止法第39条第3項)
□ 原子炉保安規定、安全衛生管理規定と同様に、放射線障害の発生を防止するための必要な手続きなどに  ついて事業所ごとに定めることが義務付けられている。 放射線障害予防規定