SPECT画像の周波数特性は?
いままでは、前処理フィルタや再構成フィルタの周波数特性を別々に考えてきました。
しかし、SPECT画像を作り出すには、得られたプロジェクションデータにノイズを軽減させるために前処理フィルタを施し、そのあとで逆投影によるボケを除くために再構成フィルタがかけられてきました。
このように、SPECT画像の特性を評価するには、前処理、再構成フィルタ単独の特性を調べてもあまり役には立ちません。両方のフィルタで処理されている画像は両方のフィルタでの特性で調べないといけないからです。
両方のフィルタの特性を考えるには?
(例)頭のSPECTをおこなって、前処理フィルタとしてButterworthフィルタ(オーダー8 カット周波数0.13)で処理をおこない再構成フィルタにRampフィルタを用いたSPECT画像の周波数特性をみてみましょう。
1.前処理フィルタのButteworthフィルタ(オーダー8 カット周波数0.13)の周波数特性を書いてみます。
Butteworthフィルタの周波数特性は[H(u)=1/(1+(u/um)n]で与えられていますので、オーダn=8 カットオフ周波数um=0.13としてグラフを作りますと下のようになります。
2.再構成フィルタであるRampフィルタの周波数特性を書いてみます。
Rampフィルタの周波数特性はH(u)=|u|で与えられていますから下のようになります。
3.SPECT画像の周波数特性を書いてみます。
SPECT画像はButteworthフィルタ(オーダー8 カット周波数0.13)とRampフィルタで処理されていますから周波数領域では
「Butteworthフィルタ(オーダー8 カット周波数0.13)の周波数特性」 × 「Rampフィルタの周波数特性」
となりますから、それぞれの周波数特性を掛け算してグラフを書きます。
これがSPECT画像の周波数特性になります。
4.全ての周波数特性を1つのグラフに書いてみます。
別々に書くよりも、同一グラフ上で観察したほうが比較しやすくなります。