ButterWorthフィルタが便利なのは?
ButterWorthフィルタは前処理フィルタの一種で、プロジェクション画像のザラツキをなくするために使用するフィルタです。
このフィルタは前項でも述べましたように、周波数領域では [H(u)=1/(1+(u/um)n] で示される特性をもったものです。
ここではこのButterWorthフィルタの特徴について考えてみます。
はじめにHanningフィルタを調べてみます。
Hanningフィルタ [H(u)=0.5+0.5cos(π・u/um]
この特性は遮断周波数umのみで決まるものです。um=0.125 と um=0.25の特性を比較してみます。
次に、um=0.125 と um=0.25であるButterWorthフィルタを考えてみます。
ButterWorthフィルタにはオーダnが必要ですから n=8とします。
ButterWorthフィルタ [H(u)=1/(1+(u/um)n]
Hanningフィルタは遮断周波数以上の周波数は含まないことがわかります。それに比較しButterWorthフィルタは遮断周波数を境にしてそれより高い周波数をすべて遮断するのではなく滑らかに低下させています。
また、Hanningフィルタでは遮断周波数が異なることで低周波数領域の特性も大きく違っています。しかし、ButterWorthフィルタでは低周波領域に差はみられていません。(グラフでは空間周波数0.0938以下の周波数特性はum=0.125もum=0.25もほぼ同じとなっています。
したがって、ButterWorthフィルタは遮断周波数が異なってもオーダが同じであれば低周波領域にはそれほど影響しない特性が表せるわけです。