前処理フィルタの種類
前処理フィルタの種類についてのまえに・・・・・
前処理フィルタについて述べてきましたが、画像処理に使用される各種のフィルタについて名称をおぼえてください。
核医学画像処理で使用するフィルタには
1)前処理フィルタ(ButterWorth,Hanning,Hamming,Gaussフィルタなど)
2)画像再構成フィルタ(Ramp,Shepp-Logan,Cheslerフィルタなど)
3)ぼけ補正フィルタ(Winnerフィルタ)
があります。これらの役目はそれぞれ違っています。
前処理フィルタはざらつき(統計的変動)を無くすために使用され、画像再構成フィルタは再構成に伴う画像のボケを取り除くために使用されます。
これらのフィルタは別の名前で呼ばれることもあります。
前処理フィルタ・・・・・・・ 低域通過フィルタ
画像再構成フィルタ・・・ 高域通過フィルタ
ぼけ補正フィルタ・・・・・ 中間域通過フィルタ
低域通過フィルタ?これは低周波数領域はそのままにして、高周波数領域をカットするフィルタのことです。中間域とは中間の周波数領域を通過させ、高域とは高周波数領域を通過させるフィルタだと考えてください。
前処理フィルタの種類
(前項までは、実空間でフィルタを考えてきましたが、ここでは周波数領域での特性について考えます。)
前に述べましたように、前処理フィルタの代表的なものはButterWorthフィルタがあります。その他には平滑化フィルタ、Hanningフィルタ、Hammingフィルタ、Gaussフィルタなどがあります。
これらの違いは、前処理フィルタの周波数特性を調べてみればよくわかります。
平滑化フィルタ [実空間で(1,2,1)]
ButterWorthフィルタ [H(u)=1/(1+(u/um)n]
Hanningフィルタ [H(u)=0.5+0.5cos(π・u/um]
Hammingフィルタ [H(u)=0.5+0.54cos(π・u/um]
Gaussフィルタ [H(u)=exp (-π2(FWHM)2u2/2.7724]
(uは空間周波数 umは遮断周波数(カットオフ周波数)
前処理フィルタとはどのような特性をもつフィルタなのか?
代表的なButterWorthフィルタの周波数特性をグラフに描いてみます。(エクセルで計算すれば簡単)
(例) カットオフ周波数0.13 オーダ(次数)8のButterWorthフィルタを描いてみます。
1)上のButterWorthフィルタ [H(u)=1/(1+(u/um)n]を利用して、um=0.13 n=8を代入します。
2)すると特性は[H(u)=1/(1+(u/0.13)8]となります。
3)u(空間周波数)を 0/64, 1/64, 2/64, 3/64・・・・・・31/64, 32/64まで変化させH(u)を計算すれば出来上がります。
ここでは空間周波数(u)を ピクセル/画素 として64マトリックスの配置で考えてますから空間周波数は
0/64, 1/64, 2/64, 3/64・・・・・・31/64, 32/64と変化させました。
このような方法で求めたButterWorthフィルタの周波数特性を下図に示します。
(他のフィルタについても同じようにすれば特性をグラフにすることができますので試してください)