離散・離散逆フーリエ変換のまとめ



いままでのまとめ

いままで勉強した離散・離散逆フーリエ変換は、実空間から周波数空間(離散フーリエ変換)、周波数空間から実空間(離散逆フーリエ変換)の橋渡しの役割をすることが理解できましたが、画像解析するのになぜこのこれらを理解することが必要になるかとの疑問が生じてきます。たしかに、理論や計算を知らなくても画像解析装置が勝手にこれらの処理をおこない結果として画像が出来上がりますから何の問題もありません。でも、画像が出来るまでの過程を理解するためには必要なことなのです。
例えば、投影データに前処理フィルタをかける場合、実空間で処理が成されている装置もあれば、周波数空間でおこなわれる装置もあります。Butterworthフィルタ特性は周波数空間で与えられていますから、実空間処理を理解するにはButterwo rthフィルタ特性を実空間に戻してあげなければなりません。
これもパソコンが勝手にしてくれるのですから理解してなくても問題ないのですが、実空間ではどんな様子のものなのかを知るためには、いままでの勉強が必要になってきます。でも、いままでは1次元での方法しか勉強していませんから、本当の理解は2次元での勉強が必要になるのでしょう。

メーカの違いによる処理方法の相違


画像処理はメーカの違いにより、実空間で成されるものと周波数空間でおこなわれているものがあるようです。T社は実空間、他は周波数空間処理との話を聞いたことがあります。
また、前処理フィルタとして使用するButterworthフィルタの係数設定もメーカにより違うそうですので注意してください。
したがって、自分の装置がどのような方法で画像解析がおこなわれているのかを把握しておく必要があります。

(サイクル/ピクセル)か(サイクル/cm)を明確に

周波数特性をみる時、横軸が何であるのかを明確にしておきましょう。これも参考書によって 横軸の表示が(サイクル/ピクセル)であるものや(サイクル/cm)で表示されているものがあります。
(サイクル/ピクセル)表示は、同じマトリックスでも有効視野の大きさで1ピクセルの大きさが違ってきますので、装置間の比較をするためにはちょっと不都合です。どこでも同じ尺度で比べられるのは(サイクル/cm)なのでしょう。この表示に注意して周波数特性を見てみましょう。

下に参考までに(サイクル/ピクセル)と(サイクル/cm)の換算式を示しておきます。

1ピクセルAcmとすると

(cycles/pixel)=(cycles/cm)×(A cm/pixel)

(cycles/cm) =(cycles/pixel)÷(A cm/pixel)

この後の説明について

離散・離散逆フーリエ変換で実空間から周波数空間へ、周波数空間から実空間へ移動できることがわかりましたので、この後は、投影データと前処理フィルタがどのように処理されるのか?、どのような種類のフィルタが存在するのか?などについて説明させてもらいます。