ピクセルについて


私たちはRI画像をフィルムに出力するまでには、ガンマカメラで生体情報を得て、画像処理装置で解析し、最終的にフィルムへ出力します。この画像ができるまでの過程を順次簡単に記述します。

ピクセルサイズとは検出器の大きさからは算出できない?

 「512×512とか256×256で撮像します」とよく言います。この512×512や256×256とは縦と横のピクセル(画素)数を表現しています。こんなことは誰でもわかっているから説明はいらないと思いますが、では実際のカメラで収集した画像を画像処理装置のパソコンでみてみましょう〜  



 上の図をみてください。画面上の512×512の画像は上図のように表示されます。薄青の部分は検出器部分ですが表示される画像は検出器部分より大きなめな画像(上図では余白のある部分)として表示されています。
 このように、表示される画像は、検出器を512×512分割したものではなく、検出器よりすこし大きめの余白の部分を含めたところを512×512に分割していることがわかります。ですから、1ピクセルのサイズは?と聞かれたら「検出器を512分割した長さである」と答えたら間違いです。少し大きめの部分をも含めて512分割していると言うことです。
 

512×512ピクセルとは?

 上の説明で1ピクセルサイズは、「検出器を512分割した1つのマスメの長さである」は間違いでしたが、ここでは検出器の大きさを512分割したのが1ピクセルのサイズであると仮定して話を進めさせてもらいます。

円形の検出器を使用したときの1ピクセルのサイズは?・・・・円形だから検出器の直径を512分割すれば求まります。
それを画像処理装置のCRTに表示させると下の図のように描出されます。

正方形の検出器を使用したときの1ピクセルのサイズは?・・・・・正方形の一辺を512分割すれば求まります。
これを画像処理装置のディスプレイに表示すると検出器の部分がでてきます。

 では、長方形の検出器の1ピクセルのサイズは?・・・・・・・横?縦?どちらを512分割?
 このような疑問がでてきませんか。

1)縦(短い)方向512分割、横(長い)方向をそれぞれ512分割してみます。すると1ピクセルは正方形ではなく長方形になってしまいます。これではダメです。

2)縦(短い)方向を基準にして512分割してみます。すると、縦方向が512分割された長さしか撮像も表示もできませんから、横方向は縦方向の長さ分しか撮像も表示も できないことになり、横方向が除かれてしまいます。これもダメ  です。

3)横(長い)方向を基準にして512分割してみます。すると縦(長い)方向の長さは使用していますから、縦(短い)方向は横方向の長さ分だけ余分に表示されます。これ  でOKです。

したがって、長方形の検出器で512×512とすると、長い方向の検出器の長さを512で分割した値が、1ピクセルのサイズになります。


実際のピクセルサイズとは?

 「1ピクセルのサイズは、検出器の長い方向を512分割したものではなく、それよりも少し大きめの値となっている」

(例)横512mm、縦256mm検出器で考えてみます。(ただし512×512 マトリックスとします)

 1ピクセルのサイズは横を512で割った値ですから、512mm÷512分割=1mmとなります。この収集条件での1ピクセルのサイズは1mm×1mmとわかりました。512×512が収集マトリックスですから、横方向512mm、縦方向も512mmの仮想的な検出器で考えればよいでしょう。
 したがって、512×512マトリックスで撮像することは、1ピクセルが1mmですから、横512mm×縦512mmの検出器で撮像していることと同じになりますから、横方向は512mcですので、撮像された範囲は検出器の横の長さがぎりぎりとなります。縦方向の仮想的な検出器の長さは512cmですので実際の縦方向の256mmは十分カバーされます。

 ここで、収集するときの1ピクセルを1.2mmと規定して512×512で収集したらどうなるでしょう?

1ピクセルは1.2mmですから、614.4mm(512×1.2mm=614.4mm)の仮想検出器を利用することになりますから、横512mm 縦256mmの実際の検出器は十分カバーされ、先ほどの横方向が512cmの仮想的な検出器よりも長い検出器を使用してることになりますから、横方向の端が使用できないとか、CRT上に表示されないなどの問題はなくなります。

このようなことから、実際のピクセルサイズは実際の検出器から求めた値より大きめにしてあるのです。