被験者SPECTデータ画像情報の入力

ここでの説明は、DICOMについて記述したメモリーについてを理解したあとに読んでいただけると簡単に理解できると思います。

1.Offset

 画像情報の入力項目のなかにOffsetと表示されている項目があります。
この意味は、取り除いてしまったビット数を意味しています。この取り除くものは患者さんの情報とか施設名、装置名
などの記述してある情報で、これをヘッダー情報といいます。この情報は画像データには関係ないものなので取り除かれてあるのです。

 装置のハードディスクに保存されている情報は、数値として保存されています。(2進数)ここで画像のファイルがどのように保存されているのかを簡単に説明します。


  パソコンの中の情報は、ヘッダー情報+画像データ(画像となる数値)+フッダー情報 として保存されています。

 絵として必要になるのは、画像データだけですのでヘッダーとかフッダーとかの情報は必要になりません。
このヘッダーやフッダー情報が何バイトあるかはそれは装置メーカに聞けばわかります。東芝は3072バイトがヘッダー情報であり、フッダーは計算すると81920バイトになります。

画像データは128×128ピクセルとするならば、ピクセルの個数は128×128ピクセル=16384個となります。
パソコンに画像データを保存するためには、この16384個数分だけけの箱(バイト)が必要になります。
次にここのピクセルの値が保存されているのですが、1箱(1バイト)では256の数値しか入らないので、最低2箱を利用して数値が入っていますから、16384個の数値を保存するためには16384×2箱(バイト)=32768個の箱が必要になります。いまは128×128の画像1枚分の必要となる個数ですので、60枚あれば32768個×60枚となりますので、全体で32768×60=1966080箱(バイト)必要になります。



2.Data Order

Data Order の表示に、Little Endian  Big Endianの選択部分があります。これは元の装置の画像データの並びがどのような方法で保存されているかを選択するものです。(DICOMについてを読んでください)

 読まれない方のために、簡単に記述します。

 上の説明で画像データは数値として2バイトデータとして保存してある(2バイトではなく4バイトのものもあります)と記述しました。例えば128×128で60枚の画像の1ピクセル目の数値は2つの箱(2バイト)に入れてあると仮定します。その1ピクセルの数値が300としますと、300の値は300÷256=1あまり44となりますから、1と44の値を箱にそれぞれいれてやればいいのです。いまは10進数で書きましたが、パソコンの中は2進数でいれてあります。
この入れ物に反対から入れればLittle Endian方式であり、順番に入れてあればBig Endian方式で保存したあることになります。 
                    

      数値保存   1バイト目に 1    2バイト目に44   Little Endian 方式  

       1バイト目に 44   2バイト目に 1   Big Endian  方式
 

Little Endian 方式 では数値を取り出すときには256×1+44=300 としますが、Big Endian方式で保存してあるデータを Little Endian方式として誤って取り出すと、256×44+1=11265と計算してしまいます。これらの誤りをおかさないように、この選択項目があるのです。



3.Data Type

 Data Type の表示に、Integer  Floatの選択部分があります。これは元の装置の画像データの数値が整数(Integer)か実数(浮動小数点 Float)かを選択するものです。


 東芝の装置は数値データを実数であつかっています。その他のメーカは整数ですのでFloatを選択するのは東芝の装置となります。これは余談となりますが、東芝の画像処理は実数で計算されしかも、実空間でおこなわれていると聞きました。他のメーカはフーリエ変換上で計算しそれを実空間画像に戻して表示するようです。これらの違いは厳密な意味では、東芝のほうが精度よく計算されるのですが、実用上はあまり問題にはならないと考えます。

 画像データは2バイトで保存されていると述べましたが、実数で解析する東芝の装置は1つの数値データを4バイトとして保存していますので間違えのないようにしてください。

 私たちがこれれの画像をパソコン上に表示するプログラムを作るときには、画像だけを表示するには画像データのみを読み取って、表示させてあげればよいのですが、いま述べた数値が何バイトで保存されているかを知っていないと、誤って1ピクセルの数値を2バイトとして読み取ってしますと、画像は表示されてもへんてこな画像になってしまいますから注意してください。

ここの画面に表示される患者さんの情報とか、検査日などはヘッダー情報としてファイルに保存されていますから、何バイト目にこれらの情報があるかはメーカーに聞くなり、バイナリエディターで自分で調べればわかりますので、そこのデータを読み出して表示すればいいのです。

  新しいiSSP Version 3.5 では、浮動小数点演算方式になったそうですから、精度は向上したこととおもいます。