標本化と量子化


標本化?

標本化を簡単に述べたら、連続する画像を離散的な画素に分割することです。
画素で考えたら、連続的な画像を128分割するとが標本化です。
例えば40cmの有効視野のガンマーカメラの画像を128×128マトリックスにすると、1画像は40cm÷128=0.3125cmとなります「1ピクセル0.3125cmでスキャンした画像」との表現もできますし、「サンプリング間隔0.315cmの画像」、「128×128で標本化した画像」とも言われます。
とにかく標本化とは分割することなのです。


この「1ピクセル0.315cm」は空間周波数で示すと、「1/0.315=3.17cycles/cm」となり これをサンプリング周波数と呼んでいます。
これを言葉で示したら、「1cmで3.15回標本化する」ということになります。

標本化定理(サンプリング定理)では、デジタル信号はサンプリング周波数の1/2の周波数のアナログ信号までしか表現できないことになっていますから、ここではサンプリング周波数は3.17cycles/cmですので3.17/2=1.585cycles/cmのアナログ信号までしか表現できないことになります。

<補足>

実空間の連続する分布を、離散的な分割されたピクセルでデータをとってきて、それをフーリエ変換し、そのフーリエ変換したものを逆フーリエ変換して、もと連続する分布を復元することを空間周波数領域の処理になるのですが、ここで問題となるのが、この連続分布をいくつに分割してデータをとってくるかです。
粗い分割でデータを離散的に分割し、それをフーリエ変換しこれを逆フーリエ変換すると、復元されたものは元の連続した分布を忠実に表現できないことがおこります。
では、どれだけの間隔でデータをとってきたらいいのかですが、これは「標本化定理」というもので決まっています。

「元の連続する分布をデジタルで完全に復元するには、連続する分布の最大の周波数の2倍の周波数で標本化すればよい」
となっています。

この標本化定理は言葉としては理解できるのですが、実際にはどうすればよいのかと思いませんか?
連続する分布の最大の周波数?これを知らなければならないことになります。この最大の周波数決めるには連続する分布をフーリエ変換すればよいのですが、これを決めるのにも離散信号に変換しなければ求まりません。これではいつまでたっても正確な最大の周波数は求まってきません。

そこで便宜的にこの最大周波数を先に決めてしまうことがとられます。
1)あらかじめ必要な最大周波数W(lines/mm)をきめて、連続分布の長さL(mm)を1/2W(mm)で分割する。
2)矩形パルス関数から近似する。


などがありますが、詳細は参考書で調べてください。

量子化?

連続する画像を128で分割することが標本化でした。その標本化された1つの画素の濃淡を量子化といいます。
濃淡?整数値をふることです。
1画素に1または0を与えると、これは1または0の2の濃淡をもった画像となります(2値化画像)。
1画素を256の整数が入るようにしてあげると、画像は256階調=8ビットの画像になります。

標本化と量子化とデータ量について

128×128×8ビットとは何でしょう?

上の例では有効視野40cmを128分割してデジタル画像としていました。1ピクセルの大きさは0.315×0.315cmでした。
この128×128は標本化した画素となります。このデータの画素数は128×128=16384画素となります。
次の8ビットが量子化の数です。

これからこのデータ量を計算すると16384の箱に8ビットの量があるわけですから、16384×8ビット=131072ビットとなります。

このように、128×128×8ビットとの表現はデータ量を表しています。

<注>
8ビット=256階調なのですが、画像系では画像表示のために10ビット以上の濃淡が使用されていることが一般的ですので、8ビットはあまりおめにかかりません。10ビット=1024階調であったとしても、パソコンには10ビットで保存されるようなものはなく、10ビットデータを持つものは8ビットの次の16ビットの容量を用いています。したがって、128×128×10ビットと記述してあっても、これは128×128×16ビットのデータ量があるものだと認識しなければならないと思います。パソコンのメモリーの最小単位は1バイト=8ビットですので、8ビットに入りきらない数は、2バイト=16ビット準備しておく必要があります。