放射線管理士問題(模擬試験)

1.放射線管理士の役割(緊急被ばく)として誤ってるものはどれか
@患者や救護所などでの被災者の健康管理を確実に行う。
A汚染測定の結果を具体的に、その被災者の近傍に1時間いるとどれくらい被ばくするかを説明する。
B汚染測定に必要な機器の取り扱いに習熟している。
C医療機器のメンテナンスを行う。
D使用後の処置室の汚染検査を行う。
p338
× 汚染測定を確実


× 汚染測定機器
2.防護方法の三原則として誤っているものはどれか
@放射線源との距離をとる。
A放射線源との間に遮へい物を置く。
B被ばく時間を短縮する。
p222


○ 
3.管理区域の線量基準で誤っているものはどれか
@外部放射線にかかわる線量・・・・・実効線量で1.3mSv/3月以下
A空気中の放射性同位元素の濃度は3月間についての平均濃度が空気中濃度限度の1/20
B放射性同位元素に汚染される物の表面の密度は表面汚染密度の1/10
p221

×  1/10
4.蛍光ガラス線量計で誤っているものはどれか
@使用されるガラス素子は銀イオンを含有させたリン酸塩ガラス(銀活性リン酸塩ガラス)である。
A放射線を受けたガラス素子に窒素ガスレーザの紫外線をあてると、受けた放射線の量に比例したオレンジ色のラジオフィトルミネッセンスを発生する。
B繰り返し測定ができない。
C高感度である。
Dフェーディングがきわめて少ない。
p231・p234



× できる

5.荷電粒子による被ばくとして誤っているものはどれか
@皮膚は表皮、真皮、皮下組織よりなりたっている。
A表皮は皮膚の最上層にある上皮組織で、上から顆粒層、角質層、有棘層、基底層の4層である。
B角質層は放射線に対する感受性がなく人体を放射線から守る役目をする。
C有棘層と基底層は放射性感受性が高い。
D基底層は放射線感受性が最も高いところである。
p246

×角質層、顆粒層


6.外部被ばく(全身)の際の処置として誤っているものはどれか
@0.1Gy以下・・・・・・・・・・・・・管理的措置、状況調査、線量評価
A0.1〜0.25Gy・・・・・・・・・・詳細な管理的措置、医師による監視、被ばく者へのコメント
B0.25Gy・・・・・・・・・・・・・・・・詳細な医学的検査、正確な線量評価
C1.0Gy以上・・・・・・・・・・・・・専門医療機関への移送
p249(表ー9)



7.緊急被ばく医療体制として誤っているものはどれか
@初期被ばく医療・・・・・・・・・・・・・入院対応型の被ばく医療
A二次被ばく医療・・・・・・・・・・・・・入院対応型の被ばく医療
B三次被ばく医療・・・・・・・・・・・・・体内汚染治療、骨髄移植や無菌集中治療などのより専門的な被ばく医療
p337
× 外来


8.主要人体臓器の放射線感受性区分で誤っているものはどれか
@感受性大・・・・・・・・・・・・・骨髄・卵巣・リンパ組織・腸上皮組織
A感受性中・・・・・・・・・・・・・皮膚・肺・腎臓・肝臓
B感受性小・・・・・・・・・・・・・筋肉・骨・神経・低酸素細胞
p30(表ー2)


9.放射線の人体への影響として誤っているのもはどれか
@確率的影響と非確率的影響がある。
A確率的影響にはしきい値ある。
B確率的影響の具体的な影響としては発癌や遺伝的影響があげられる。
C確定的影響にはしきい値がない。
D確定的影響には皮膚障害、胎児奇形、不妊、白内障などがある。
Eしきい値とは被ばくした人の50%に影響が出る線量に相当し、統計的に有意の差を生じるという意味を持つ。
p99
×  確定的影響
×  ない

×  ある

×50%→1〜5%
10.放射線被ばく防護体系として誤っているものはどれか
@吸収線量に放射線荷重係数を乗じて和をとったものが組織の等価線量である。
Aすべての組織・臓器の等価線量に放射線荷重係数を乗じて和をとると実効線量になる。
B等価線量、実効線量の単位はGyである。
C預託線量の積分時間が与えたれえてないときは成人は50年、子どもは被ばくのときから70歳までの期間とする。
p95〜96

× 組織荷重係数
× Sv
11.表面密度限度で誤っているものはどれか
@表面密度限度とは人が触れる物の表面の放射性同位元素の密度限度である。
Aα線を放出する放射性同位元素は40Bq/cm2
Bα線を放出しない放射性同位元素は4Bq/cm2
C非浸透性の物質は表面密度であるが、浸透性の物質は表面汚染にとどまらず内部汚染となる。
p277
○  
×  4Bq/cm2
× 40Bq/cm2
12.放射線障害が発生するおそれのある場所の放射線量の測定・記録について誤っているもの
@放射線障害が発生するおそれのある場所については、診療開始前に1回、開始後は1月を越えない期間ごとに1回。
A場所を固定して使用する診療放射線装置の使用室、管理区域の境界、医療施設内の人が居住する区域および施設内の敷地の境界における放射線量の測定については6月を超えない期間ごとに1回。
B排水口、排気口および排水、排気監視設備のある場所における、放射性同位元素による汚染の測定は排水、排気のつど放射線量とRIによる汚染の状況を測定する。
C測定結果の記録は3年間保存する。
p230






×  5年
13.放射線への人体の影響について誤っているものは
@放射線の影響は身体的影響と遺伝的影響がある。
A身体的影響には、放射線を受けて数週間以内に症状がでる急性障害と数ヶ月から数年後になって症状がでてくる晩発性障害の2つに分けることができる。
B母親の胎内での被ばくによる影響は身体的影響には含まれない。
C急性障害では全身に一度に1Sv程度の放射線を受けると嘔吐や倦怠感をまねく。
D全身に4Sv程度の被ばくを受けると約半数が死亡する。
E放射線の影響を放射線防護の立場から確率的影響と非確率的影響に分ける場合もある。
p368



× 含まれる


14.汚染した傷の処置について誤っているものは
@汚染事故に際して、いかなる傷も汚染されていないと証明されるまでは汚染しているものとして考える
A健常皮膚に先立って、傷口の除染から始める。
Bとるべき処置は、放射性物質の半減期、放射線毒性、放置した場合の預託線量が50mSvを越すか否かによって異なる。
Cα核種による体内被ばくはβγ核種に比較して約100倍発癌リスクが高い。
Dしばしば、局所麻酔下でガーゼによるブラッシングや創面のデブリードメントが必要となる。
E切除された組織片は保健物理的測定のために保管する。
p367


×  20mSv

×  1万倍

15.組織・臓器に対する影響について誤っているものは
@組織の中で最も感受性が高いとされているのは造血系の組織で、0.5Gy以上の急性被ばくで早期に機能の低下がみられる。
A男性生殖器で一時的不妊になるのは0.3Gyである。
B卵巣は比較的感受性が低く、一時的不妊まねくような線量は一度に4Gyといわれている。
C紅斑を生じるのは数Gyである。
p370


×  0.15Gy

16.次の設問で誤っているものは(放射線リスク)
@発癌の自然発生率は26.5%である。
A自然発生の白血病の死亡割合は0.66%である。
B遺伝性疾患の自然発生率は7.5%である。
C先天異常児の自然発生率は約6%である。
p397〜400



17.実務上の放射線管理体制の要点について誤っているものは
@病院または診療所以外の放射線関連事業所であれば、放射線障害防止法で放射線障害予防規定の作成、放射線取扱主任者の選任という放射線安全管理体制の2つの基本柱を規定している。
A放射線業務にかかわる健康診断は医療法施行規則には規定されていないので労働安全衛生法・国家公務員法の下で電離放射線障害防止規則・人事院規則10−5による管理を行う。
B一般医療施設における放射線管理面は医療法施行規則に準拠して、病院または診療所の放射線取扱主任者が義務を負うかたちとなっている。
p226




×放射線取扱主任者
    →管理者(院長)
18.実効線量および等価線量の評価で誤っているものは
@体幹部均等被ばくの実効線量の評価は、ガラス線量計やOSL線量計、TLDなどの個人モニタによって得られた値をそのまま実効線量として評価する。
A体幹部が不均等に被ばくする場合には法令では体幹部を3つの部位に分けて評価する。すなわち、体幹部を(頭頸部)、(胸部・上腕部)、(腹部・大腿部)に分ける。
p248




19.照射管電圧の線質評価で誤っているものは
@照射管電圧の線質評価のために半価層測定を行う。測定結果の再現性と実効エネルギー算定のために、フィルタからの散乱線の入射を除く必要がある。
AX線束は線量計の測定部分の大きさまで絞り、フィルタと電離箱線量計の距離は100cm以上とるようにする。
BX線管焦点ー線量計実効中心距離(FCD)はFFDをFCDの約1/3とするのがよい。
Cフィルタには純度の高いアルミ二ウム、銅を用いる。実効エネルギーが40KeV以下ではアルミ二ウム
30〜200KeVでは銅を使用するのがJISの目安とされている。
p302


× 50cm

× 1/3→半分

20.IVRにおける患者被ばくという点からIVRを整理した内容で誤っているものは
@X線の照射を医師自身が行っている例が多く、一般撮影に比べると、医師の役割が大きい。
A透視時間は症例ごとにバラバラで、長い例では1時間を超えることもまれではない。長時間の透視の結果として、皮膚線量で1Gyを超える例が報告されている。
B自動露光装置(AEC)や自動輝度調整装置(ABC)が使われていて管電圧、管電流など線量を知るパラメータがわかりにくくなっている。
C患者の被ばく防護の第一の対策は「なによりも患者の被ばく線量を医師に知らせる」べきである。そのうえで医師が正当化、最適化の判断を行って検査を行わなければならない。
p323






21.胎児被ばくの記述で誤っているものは
@胎児被ばくは影響の時期特異性がある。
A時期は着床前期(受精後9日間)、器官形成期(2〜8週)、胎児期(8週以降)に分けられる。
B器官形成期では奇形の感受性が高く、胎児期では精神発達遅延の感受性が8〜15週、16〜25週の順に高い。
C胎児期の発癌感受性は成人よりも10倍高いが、遺伝的影響については小児・成人と同程度である。
p101・p371




× 10倍→2〜3倍
22.放射線事故の概略で誤っているものは
@放射線事故が医学的背景とともに詳細に記録されるようになったのは1944年以降である。
A1944年から2000年の間に300件の放射線事故が起こり3003人が有意の被ばくを受け127人が死亡している。
B原子炉事故は放射線事故の約2%にすぎない。
C最も多い事故は、密封線源による事故で全体の半分を占める。
p338

× 300→417