Excelによる離散フーリエ変換(4)

離散フーリエ変換するときの重要な事項です。

前のページで0-0-0-1-1-0-0-0 と並んでいる値をExcelの分析ツール(フーリエ変換)を用いて離散フーリエ変換してみました      
 結果は下のようになりました。     
         


次は、画像処理の基礎の離散フーリエ変換で学んだ下の式で、Excelの分析ツールを使用しないで離散フーリエ変換の計算をしてみます。


            
    

u=0のとき(周波数0/8)

 H11セルの4はR(0)であり、F11の0はI(0)となります。したがって周波数0のときの R(0) + jI(0) = 0.5 + j0 = 0.5                                    

 

u=1のとき(周波数1/8)

H11セルの4はR(1)であり、F11の0はI(1)となります。したがって周波数1/8のときの
                    R(1) + jI(1) =-0.30177 + j0.125027                                     

ここでExcelの分析ツールでおこなった離散フーリエ変換値と普通に計算した離散フーリエ変換の値を比較してみます。

例として

u=0(周波数0/8)、u=1(周波数1/8)のときを比較します。

u フーリエ分析ツール使用 実際の計算値
4-0i 0.5-0i
1 -2.4142-0.9999i -0.3017-0.125i

 

両者の値が違っています。 

では、実際の計算例をN=8倍してみます。

u フーリエ分析ツール使用 実際の計算値 実際の計算値のN=8倍
0 4 0.5 4
1 -2.4142-0.9999i -0.3017-0.125i -2.4141-1.00i
2 0 0.00001158+0.00001158i 0.00009+0.00009i
3 0.4142+0.9999i 0.005174+0.1250i 0.1431+1.0i
4 0 0.000000007-0.0000231i 0.00000008-0.00018i
5 0.4142-1i 0.00518-0.1249i 0.4146-0.999i
6 0 -0.00003475+0.00003425i -0.000278+0.00278i
7 -2.4142+1i -0.3017+0.1248i -2.4143+0.998i

すると、両者の計算値はほぼ同じになります。

このことから、Excelによるフーリエ分析ツールは F(u)=1/NΣf(x)・・・・ での計算ではなく F(u)=Σf(x)・・・・で計算している(1/Nを乗じていない)ことがわかります。